辺見庸 研究 ~内宇宙への旅~

辺見庸の発言は、ときに「荒れ球」や「魔球」もあるが、「剛速球」が身上である。その根源にある思考とは何か。

73.辺見庸:TV出演(3月12日)への視角

辺見庸が、病をおして近々NHK教育テレビに出演する(2017年3月12日:再放送3月18日)。テーマは 「父を問うーいまと未来を知るために」。 彼は、亡父をどのように語るのであろうか?NHKはこの時期、どのような番組作り・編集をする(できる)のだろうか? …

67.辺見庸:感覚の最深部

透徹した思索者の一人として、辺見庸は、現行憲法の改定に断固反対し、天皇ヒロヒトの戦争犯罪を厳しく指弾する。また、このままではファシズムの危険および人類滅亡が必至であると警告している。さらに、いかなる場合でも(たとえ南京虐殺の首謀者であって…

66.辺見庸における「延性破壊」

最近、辺見庸は「延性破壊」を自己の内的世界に起こしつつあるようにみえる(延性破壊とは塑性変形を起こし、材料の著しい伸びや絞りを伴う破壊のことをいう)。 かつて辺見庸は、吉本隆明や埴谷雄高の晩年の変質を嘆き、批判していた。しかし、辺見の変質の…

63.ファシズムの快と自省

辺見庸は述べる。 何度もくりかえしますが、ファシズムというのは、けっしてでたらめなやつだけがやっていたわけではないのです。ファシズムにはファシズムなりのある種のロマンというものがあった そのことを忘れないようにしたいとぼくはおもうのです。「…

61.「不条理な」苦痛

今日の世界情勢として政治の右傾化、排外主義の台頭がある。それは「トランプ現象」に顕著に表れているのだが、日本にも当てはまることである。 逸見庸は『いま、抗暴のときに』で、次のような主旨のことを述べている。十数年も前のことだ。 ドブレは前掲書…

58.十字架

石原吉郎はふつうに生きることを否定した。生きていることがむしろ不正常だという考え方が、経験的にも彼にはあった。石原という非生産的でネガティブな人、あらかじめ緩慢な自死を定められてきた人―。知る限りで何人か思い浮かぶけれど、たとえば尾形亀之助…

57.講演会(1月30日)のこと

辺見庸の右目が見えなくなった、体を激痛が走る、「エベレスト」にも最近は登っていない、という。右目は手術しなければならず入院は7日ほど。左目も問題ありとのことだ。 今年の1月7日からのブログ「私事片々」は2017年1月23日でいったん途切れ、その後、再…

53.単独者としての行動

被害者であり、かつ加害者である人間は、いかに実存者・単独者になりえるか。自由な存在への足場を得られるのか。辺見の思考に大きな影響を及ぼした石原吉郎、その石原を驚愕させた鹿野武一とは。 シベリアの強制収容所での鹿野の異様な行動に、その鍵を見出…

50.谷川雁の暗喩

谷川雁という詩人・評論家がいた。今から50~60年前のことである。 「原点が存在する」「東京にゆくな」などのメッセージに当時の若者の一部は心を震わしたのだった。谷川は北九州の大正炭鉱で戦闘的炭鉱労働者からなる「大正行動隊」を組織し、永久工作者と…

49.辺見庸 ~こだわり、生き方、性格、好悪~

辺見庸という人はどういう人か? 彼は自ら率直に著作のなかで語っている。あくまでも自己認識なので、そのまま「実際の」人柄・性質とはいえないにしろ、また、彼が小説家・詩人であることも考慮して受け取らなければならないだろうが、別に自分に「虚飾」を…

46.太宰治『満願』における視点 

太宰治の作品が好まれるのは、彼の思考・嗜好と作品が強く関連しているとのイメージがあるからと思われる。また、自己の内面と外界との実時間でのありようを強く意識している。 それはさておき、辺見庸は、こんなふうに感慨を洩らしている。 私の好きな太宰…

42.阿川弘之、三浦朱門

権力亡者、排外主義者、民族主義者、拝金主義者、競争至上(弱肉強食)主義者、国粋主義者。 これらは米国の大統領選挙で勝ったトランプのことを言っているのではない。安倍晋三のことでもない。 選民思想、加害者意識欠落、天皇崇拝、夜郎自大、レイシスト…