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辺見庸 研究 ~内宇宙への旅~

辺見庸の発言は、ときに「荒れ球」や「魔球」もあるが、「剛速球」が身上である。その根源にある思考とは何か。

56.賛意、同感の表明

  辺見庸の批判は身体を賭けた批判であり「剛速球」であるが、一方では、賛意を表し、または高く評価している人や作品はある。これにより辺見庸の思考の骨組みが見えてくる。

 辺見庸が自分の著作の中で、一定以上の字数または言及する頻度(表現された語に込められたニュアンスがそれに加わる)で、人や作品を以下の4つのカテゴリーで考えてみよう。

 辺見庸による賛意や評価は、作品の芸術性そのものでの文芸評論だけではなく、その人、または作品の基底に流れる思想や生きる姿勢についての辺見庸の認識として表現されたものにもとづくものであることをお断りしておきたい(なお、それぞれについての言及内容は別途記していくのでここでは掲げていない)。

  1. 全面的といってよいほど賛意を表し、高く評価または同感している。そして非難するべき点の記述はない。                

   武田泰淳

    プリーモ・レーヴィ

   ジョルジョ・アガンベン

   大道寺将司

2)強く賛意を表し・高く評価しているが、批判点が少し記されている。  

   堀田善衛

   丸山眞男

   石原吉郎

   吉本隆明

   石川淳

   太宰治

   埴谷雄高

   柄谷行人

   永井荷風

   高橋哲哉

   ノーム・チョムスキー

   カール・マルクス  

 

3)特定事項について賛意を表し、評価している。 

   藤田省三

   夢野久作

   芥川龍之介

   串田孫一

   舟戸与一

   市川浩

   日高敏隆

   坪井秀人

   夏目漱石

   沼沢均

   田中克彦

   ベルトルト・ブレヒト

   シモーヌ・ヴェイュ

   ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー(『意識産業』)

   レジス・ドゥブレ

           ハーマン・メルヴィル (『バートルビー』)

   ジョージ・オーウェル(『1984年』)

   ヴァルター・ベンヤミン(『暴力批判論』)

   ジル・ドゥルーズ

   ジャン・ボードリヤール

    

4)賛意を表し、評価しているが、批判するべき点はやや厳しく批判している。

   小林秀雄

   野間宏

   高橋和巳

   原民喜

   アルベール・カミュ