辺見庸 研究 ~内宇宙への旅~

辺見庸の発言は、ときに「荒れ球」や「魔球」もあるが、「剛速球」が身上である。その根源にある思考とは何か。

B-6 消費資本主義時代をいかに生きるか

 

 この世界では資本という「虚」が、道義や公正、誠実といった「実」の価値をせせら笑い、泥足で踏みにじっている。そのような倒錯的世界にまっとうな情理などそだつわけがないだろう。なかんずく、実需がないのにただ金もうけのためにのみ各国の実体経済を食いあらし、結果、億万の貧者と破産者を生んでいる投機ファンドの暴力。それこそが世界規模の通り魔ではないのか」。

辺見庸『水の透視画法』2013年、49ページ)

 

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 蜘蛛の巣のように巧妙に仕組まれ張り巡らされた商品経済体系という資本主義の装置。いまや商品は生きていく上で必要だが、それに呪縛されフェティシズムに陥っては個体が空しくなるばかりだ。資本、金銭、商品に対して「巣を自由に歩く蜘蛛」のように対処する。

 ミニマリズムエシカル消費LOHAS志向、エコ消費、ダウンシフト消費、その手立ては少なくない。

 それらと連携した「生産・流通」を実現する。そして徹底した「情報の開示と利活用」「経済」「政治」の三つを民主主義(三民主義)の課題と位置づけ、消費者の購買・消費活動の変革を図るとともに、公正で豊かな消費経済を実現するのである。

 「超」階級層であるとされてきた消費者に、生活者、生体としての面からの変革が求められている。