辺見庸 研究 ~内宇宙への旅~

辺見庸の発言は、ときに「荒れ球」や「魔球」もあるが、「剛速球」が身上である。その根源にある思考とは何か。

B-42 米国の断末魔  

 

 

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 辺見庸は、小泉「構造改革」のときにすでに新しいタイプの「世界恐慌」を指摘していた。そして今や米国の衰退は明白であり、中国の国家社会主義に覇権を奪われつつある。口舌の徒たちの「うわごと」など吹き飛ばされている。

 この情勢の基調について白井聡の指摘はあまりにも的確だ。

 

 社会ダーウィニズムを基本とする新自由主義は、「自由」を標榜しながら国民を包摂し排除する。そこにあるのは資本の利潤極大化原理の貫徹と、それをひたすら支える政治体制(権力)である。

(参照、白井聡『「永続敗戦論」の新たな展開!」NHK出版、2016年』)